Handy Midnight Express~貧乏大学生の海外放浪記~

大学生による半年間の放浪の記録

けにあもん vol.1

20199301105分、僕はエチオピア航空641便に乗って、インド・ムンバイのチャットラパティー・シヴァージー空港からケニアへと出発した。

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ムンバイの空港。ムンバイは都会だからでかい。

アフリカ。それは僕の中学生の頃からの憧れだった。知り合いがいるわけではないし、何かで詳しく学んだりしたわけでもない。けれど、「アフリカに行きたい」という想いだけは間違いなくずっと持ち続けていた。

 

きっかけは中学の道徳の授業だ。その日、先生が持ってきたのは、アフリカで児童労働を強いられている子供達のビデオだった。1日に何時間も働き、ほとんど食べ物は与えられない。もちろん友人もいない。彼らは固い板の上で眠り、人生に絶望していた。

 

同級生たちが口々に可哀そうと言う中で、僕は可哀そうという感情以上に疑問を感じていた。なぜ、僕には安心安全な暮らしがあり、彼らにはないのか。僕は努力してこの暮らしを手に入れたわけじゃない。偶然、僕は日本に生まれ、彼らはアフリカに生まれた。ただそれだけのことが、大きな違いを生み出していた。よく使われる言葉だが、「宝くじ」のようだと思った。

 

じゃあなぜ、「宝くじ」のような状況が生まれるのか。彼らの世界の何が、僕の世界と違うのか。知りたいと思った。知るためには行かなければならないと思った。だからいつかアフリカに行きたいと思った。

 

その中でもケニアを選んだのは単純に、ちょうど良いボランティアに参加できそうだったことと、マサイ族にちょっとした憧れを抱いていたからだ。なんか、かっこいいなあと。正直、アフリカであればそれほど国に拘りはなかった。(エジプトやモロッコ南アフリカは少し話が変わるが)

 

ムンバイを出発した飛行機はまずエチオピアのボレ空港まで約5時間半のフライト。飛行機の中は黒人とインド人が3:1といった感じ。加えて数人の白人がいた。日本人は僕一人だ。(余談だが、インド人は飛行機の中をよく歩き回る。シートベルト着用のサインが消えた途端にみんな一斉に立ち上がり、立ち話を始め、席の交換を行うのだ。マレーシアからインド行きの飛行機に乗ったときは驚愕した。)

 

周りを黒人に囲まれると若干の恐怖を感じる。インドでは警戒心マックスで接していたインド人たちに安心感を求めるぐらいに。人種で人を判断するなと口で言うのは簡単だ。しかし実際にその現場に飛び込むと、肌の色や人種の力は大きい。(僕は決して差別主義者ではない。かといってこの感覚が正しいわけではないし、その点についてはケニアでの生活を通して徐々に自分なりの考えができたので後々まとめて載せる)

 

飛行機の中では数人のエチオピア人に話しかけられた。20代の東アジア人がインドからエチオピア行きの飛行機に乗っていることが珍しかったのだろう。突然話しかけ、ケニアに行く理由など一通りの質問を終え、握手して席に戻る。テンションの高さも、人懐っこさも、イメージ通りのアフリカだ。

 

機内食はヤギ肉。正直美味しい機内食ではなかったけれど、インドでヤギ肉をちょくちょく食べていたから、特に抵抗感もなく、普通に食べた。

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ヤギ肉の機内食。料理の数が多い。

ちなみにエチオピア航空のチケットはかなり安いのだがLCCではないため、機内食もあるし、映画も見れる(トイストーリー4を見て、ひとりで泣いた)。日本の映画や音楽も少しだけ入っていたのには驚いた。

 

飛行機は14時にボレ空港に到着。そこから2時間程度の待機。プライオリティパスを使えるラウンジが無かったため、空港の微弱なWi-Fiを使って家族・友人に連絡を取る。インドでは日本との時差が3時間半だったが、ここからは6時間。かなりのズレだ。ケニアに着く頃には日本が深夜になってしまうため、とりあえずの無事を伝える。

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ボレ空港。標高が高いため、かなり涼しい。

 

そして1605分、初めてのアフリカに胸を高鳴らせている僕を乗せたエチオピア航空306便はボレ空港を出発し、ケニアの首都ナイロビに位置するジョモ・ケニヤッタ国際空港へと向かった。

 

 

最近の新型コロナウイルスの影響によって大学が5月まで休みになり、忙しくなるだろうと予測していた就職活動も落ち着いてしまい、思った以上に暇ができてしまったため、ケニアでのボランティア生活のことを、滞在中書いていた日記をもとにまとめてみようと思う。自分の経験を整理するためのものだが、家から出ることができず暇なみなさんに読んでいただけると嬉しい。(友達のほとんどは就活生と新社会人だから難しいかな・・・)

 

ちなみにタイトル「けにあもん」は、漫画「ばらかもん」から拝借した。主人公が半田であることと、田舎で島の人々、特に子供達と触れ合うというストーリーがケニアでの僕の経験と似通っていたためである。

 

時間があるときに随時更新する予定。